■心の傷、体の傷

ジプシーこと原昌之刑事の身体的特徴として、「右胸心(だけでなくすべての内臓が逆位)であり、そのため過去に左胸に被弾したが九死に一生を得た。結果、左胸に弾丸摘出の手術痕があり、片肺しか機能していない」というのがあります。(参考までに、「弾丸摘出」というのはドックのセリフにありますが「片肺を切除」したかどうかは、不明であります。ただ切除せずに機能しない肺を残しておけるかどうかは、専門知識がないのでわかりませんです(汗)。)

今回は、ナゼにジプシーというキャラクターはこのような設定のもとに生まれたのか?ということについて考えてみたいと思います。

ジプシーはなぜ、なにゆえにキャラクターとして「片肺のため走ることが困難」という、どう考えても刑事という体力勝負の側面を持つ職業において圧倒的に不利と思われるハンディキャップと、その象徴であるともいえる体に残った大きなキズアトを負わされたのでしょうか。

結論から言うと、その理由は、スコッチと無関係ではないように思います。

ご存知のようにジプシーは、男女問わず絶大な人気を誇る沖雅也さん演じるところのスコッチ刑事の後任として登場しました。しかも、なぜか同じクール路線のキャラクターとして。

その背景には俳優さんの都合であるとか、それによりジプシーというキャラは急ごしらえだったとかさまざまな舞台裏事情があったようではありますが、それにしても特に初期のジプシーの「キャラクター設定」は、かなりスコッチに似ているフシがあります。(※「スコッチとジプシーが似ている」という意味ではありませんので、双方のファンのみなさま、誤解されませぬよう!)

スコッチは、本来優しい刑事であったのに、先輩刑事の死という過去が原因で「冷酷非情」な刑事になった、という設定だったと思います。そしてその直後に登場したにも関わらず、ジプシーもあえて同じクール路線でのスタートとなったわけですが、そうは言ってもこの二人を、全く同じような設定にするわけにはさすがにいかなかったのでしょう。

そこで、先輩刑事の死という「メンタルな傷」を負っていたスコッチに対し、ジプシーにはその後の人生観に影響を与えるほどの「フィジカルな傷」を…という発想があったのでは??? というのが私見であります。(あんまり自信はナイですけど(滝汗)。)

ではなぜ、メンタル、フィジカルの違いはあれど、この二人は「傷」を背負わされて生まれたキャラクターなのか?と言えば。

ワタクシ思いますに、そうでもしないと登場初回からいきなりスーパーサイヤ人状態とでもいいますか、とにかく「非の打ち所がない完全体キャラ」になってしまうからではないでしょうか。

二人とも新入りとはいえ七曲署着任の時点でそれ以前の実績もあり、腕っぷしも強ければ射撃の腕も確か。おまけに捜査能力も高く推理力に秀で、「協調性のなさ」や「問題行動」を除けば、刑事としては相当優秀といえます。なおかつ容姿端麗キャラです。(スコッチファンの皆さまから「一緒にするな!」と怒りの座布団が飛んできそうですが、ワタクシ、どこまでいってもジプシーファンなのでそこらへんは御容赦を。)

初めからそんな完全体キャラでは成長の余地がありません。だからこそ、この一見カンペキな二人に、人間味だったりキャラクターとしての幅だったりを持たせるため、そして刑事として、人間としての「成長の伸びしろ」を持たせるために、あえて初めから「キズ」を背負わせたのではないでしょうか。

実際、二人ともその「キズ」にまつわるエピソード=スコッチは「さらば!スコッチ」、ジプシーは「山さんの危険な賭け」等を経て、人として、刑事として、そして七曲署藤堂一家の一員としての成長を見せているように思います。

ただ蛇足ながら、ジプシーの「体のキズ」については、スコッチの後任という大役を果たすにあたっての「ビジュアル面でのインパクト狙い」という別の理由(事情?)もあったかも?知れません。(女性ファンをターゲットにしたかどうかはさておき…(滝汗))

太陽に限らず「キズのあるいい男」というキャラクターは、ぱっと思いつくだけでも、ブラック・ジャック、ケンシロウ、ドラゴンボールの天津飯、キャプテン・ハーロック、緋村剣心、ルフィと、古今東西(西が入ってない気もするけど気にしない。)たくさんいます。

そしてスコッチ、ジプシーももちろんですが、たいていの場合、そのキズにまつわる過去がなんらかの影を落としていたりして、それがまたそのキャラクターの魅力のひとつにもなっています。

いすれにしてもそんな「キズ」を背負わされて世に送り出された本人たちにしてみれば、「いい男はツライぜ。フッ…」てな感じでしょうか。

と、ちょっと脱線しましたが、原昌之に限っていえばそのキズにまつわる出来事は、先にも書いたように本人の人生観に多大な影響を与えたことは間違いないわけですが、それはまた別の機会に。


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